潮汐調和定数ファイルに関する Tips

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以前, 潮汐調和定数ファイル (以下 TD2 ファイルと書く) について「中身が良く分からん」と書きましたが, あれからいろいろ分かってきました.

まず, 具体的な数値の意味ですが こちら に書かれてました. まぁ TD2 ファイルではないファイルのフォーマットについて 述べられているものですが, 「項目」と「項目内容」を見るとなんとなく分かります. ただし分かった所で近場の港のデータを作れないのが寂しいですが... ちなみに 英語の ページもありました.

さて, この TD2 ファイルですが国内のパソコン通信が発祥のため, 正直非常に国内ローカルです. そのため, TD2 ファイルを読み込むアプリケーションを作ったとしても, グローバル化できません.

っとゆーわけで何とかならんかなーと思っていたら, こちらの方に harmonics.txt という全世界の潮汐調和定数のデータがありました. ただ, 国内に限って言えば TD2 ファイルの本家 より拠点が少ないです. .

とは言えここにあるファイルは TD2 と書式が違うため, TD2 を使うアプリでは使えません. でも, そんなもんコンバータを作れば済むことです. っというわけで作ってみました.

コンバータのソースと生成物がこちらです. Windows で使われることを想定し, 改行コードは CR+LF にしています. 例えば FromTIDE なら DT というディレクトリがありますので, その下に放れば, 読み込み計算ができるはずです. なお, ローカル時間 (現地時間) は無視しています. 現在出回っている TIDEforWIN 等の他のツールは知りませんが, 少なくともオリジナルの TIDE21CVでは 港の経度から適当な計算をしてタイムゾーン (標準時と現地時間のずれ) を求めてました. ですから, その計算が当てはまらない場所では 結果がずれると予想できます (国によっては夏時間とかもありますし...).

なお, 上述の harmonics.txt 内に記載されてる単位は meter, foot, knot, knot^2 の 4 つです. 前者の二つは長さの単位なので定数をかければいいのですが, 後者の二つはどうも速さの単位です. どう扱えばいいのか分からないので, これらの単位を使っているデータは無視しています. また, 幾つかの TD2 ファイルを覗いた所, 最低限必要なデータは 「港名」「緯度」「経度」「平均水面」と SA, O1, P1, K1, M2, S2, K2 のようです. SA 〜 K2 はデータが 2 個づつありますから, 全部で 18 個のデータが揃っている港のみ出力してます. この辺は良く分かりません. ソースがありますから必要な方は自分でなんとかしてください.

さて, データの信憑性ですが国内の港で見比べると微妙に数値が異なります. まぁこれを許容範囲と見るか致命的と見るかどうかは各自の判断に任せます. まぁ起動したら一回 この辺で結果が合うか確認してみる のがいいと思います.

FromTIDE 付属のデータ(鹿児島) 2006.8.5本データ
ここのデータ (St. Petersburg, Florida, 2006.8.5) FromTIDE による本データ (80cm は 2.62feet : 二時間程ずれている )

データの著作権ですが, 知りえた限り限り GPL のようなので使用は大丈夫だと思いますが, 著作権自体は David Flater 氏もしくは, XTide 開発者グループにあると思います. 注意書きには「『航海』及び『商用』には使わないで」と書かれています. コンバート後のデータもこの条件に準じます.

一方コンバータですが, 機械的にやっただけで全てのデータの確認を 行った訳ではありません. っという訳で内容に関しては一切保証しませんので, 個人の責任でご利用ください.


2006.8