スポーツドリンクの調合

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ポカリスエットが発売された当時, 私は小学生でした. 他のジュースが一缶 100 円 (80 円だったかな?) の中, 120 円は高く, なんとか自作できないものかと塩や砂糖を適当に水に溶かしてみたことがあります. 出来たものはとてもまずいものでした. 懲りて長いこと自作はあきらめていたのですが, 数年前もう一回チャレンジしてみようと思い立ちました. ネットで調べたところ

  1. 糖質, 塩, クエン酸, 重曹, レモン汁を調合すればよい
  2. 糖質は果糖が望ましい (この説は若干怪しい..)
といったことが分かったので薬局でクエン酸を購入し, ネットで果糖をまとめ買いしました (キロ 3〜400円だったと記憶). まとめ買いしたのは送料をケチるためです. せっかくだと果糖だけでなくブドウ糖も買ってみました. そして何度かチャレンジしてみたのですがどうしてもおいしくなりません. 結局クエン酸の瓶と沢山の果糖, ブドウ糖の袋が残っただけでプロジェクトは失敗しました.

今年 (2012 年), なぜかもう一度挑戦してみようと思い立ちました. ただし今回は各分量は秤を使ってグラム単位で定量的に決めていこうと思います. そのため, 0.1g 単位で図れるも買って見ました. まずはネットに載っているレシピを調べてみると水 1L に対し

重曹クエン酸その他
A4g20g-3g
B3g20g2g3g
C5g60g--レモン汁(大2)
D2.5g36g--レモン汁(大2)
E6g20g-4gグルタミン, BCAA, アルギニン等
F-46g6.5g15gレモン汁(大1)
G5g30g--レモン汁(20cc), 昆布茶(2g)
※ 塩小さじ 5g, 砂糖大匙 9g, 蜂蜜の糖は質量の80 % と換算
と様々な調合を見つけました. さらに一方飲む点滴 (経口保水液: ORS) というのもあり, これは水 1L に対し

ブドウ糖 20g / 食塩 3.5g / 重曹 2.5g / 塩化カリウム 1.5g

を入れて作るようです. これらをいろいろ試してみましたが, やっぱりおいしくありません. 塩がきついのです.

ポカリスエットやアクエリアスはどうしておいしいのでしょう. ポカリスエット (以下ポカリ) の成分は以下のようです.

炭水化物6.2g/100ml
ナトリウム49mg/100ml
カリウム20mg/100ml
カルシウム2mg/100ml
マグネシウム0.6mg/100ml
ナトリウムが全部塩由来だとして 1.25g/L という計算です. ORS の 1/3 しかありません. こんなに少なくて大丈夫か気になりましたが WBGT とかなんとかいう熱中症対策を基準にするといいんだという主張のようです. マニュアル によると熱中症対策用飲料水の Na は 40〜80mg/100mL くらいが適切でポカリの 49mg/100ml とピタリ一致します. ただし糖分は 1.5〜2.7g/100mL ぐらいが適正とのことでポカリの 6.2g は多すぎます.

というわけで先ほどのレシピの数々もあわせてプロットしてみると 以下のようになりました.

大半の自作スポーツドリンクレシピは ORS を基準に作られているようです. それはそれで効果があるのかもしれませんが, 味という観点からはイマイチです. そこでここでは WBGT を基準に考えてみることにします.

更なる追加投資をして試行錯誤してみた結果…

品目大体の価格備考
1.5L0水道水, 保存容器にするペットボトルで計測
粉末レモネード15g15円香りとビタミンC のため
果糖15g6円持ってるのを消費するため, 砂糖で代用可能のはず
ブドウ糖10g2.5円
粗塩1.5g0.3円なんとなく昆布エキス入りの粗塩を使用
減塩塩1g2円カリウムが目的
重曹1g1.2円 クエン酸の酸味を抑えるため, 超極微炭酸を作るため
クエン酸3.5g7円 持っているのを消費するため, 疲労回復に良いという話だし
にするとそれなりに飲めることが分かりました. リッターあたり 23 円前後という計算です.

一応計算では 100ml 中に

2.7g 粉末レモネード, 果糖, ブドウ糖
ナトリウム 70mg 粗塩, 減塩塩, 重曹
カリウム 18.7mg 粗塩, 減塩塩
マグネシウム 0.15mg 粗塩, 減塩塩
ビタミン C 27.7mg 粉末レモネード
ビタミン E 0.1mg 粉末レモネード
となっています. 上記グラフで言う Z の位置になります.

ただし


2012.7