PIC16F1827 に関する Tips

最近また PIC をいじる機会がでてきました. 昔 16C84 から始まって 16F648 や 16F88 を愛用していました. せっかくの機会なので最新の 16F1827 を使うことにしてみたところ 新たな Tips が出てきたので忘れないよう書いておきます.

• フューズの設定
  とりあえずこんな感じで動く. クロックは内部のものを使用.

  __CONFIG _CONFIG1, _FOSC_INTOSC & _WDTE_OFF & _PWRTE_ON & _MCLRE_OFF & _CP_OFF & _CPD_OFF & _BOREN_ON & _CLKOUTEN_OFF & _IESO_OFF & _FCMEN_OFF __CONFIG _CONFIG2, _WRT_OFF & _PLLEN_OFF & _STVREN_ON & _BORV_HI & _LVP_OFF

• 初期設定
  とりぜず全部をデジタル入出力にしたいのなら以下のような感じ

  movlb 1 movlw 0xXX movwf OSCCON movlb 3 clrw movwf ANSELA movwf ANSELB movlb 1 movlw 0xXX movwf TRISA movlw 0xXX movwf TRISB

  水色 の TRISx への設定は今まで通りなので省略. 黄色の OSCCON への設定は動作周波数の設定値で 主な設定値は以下のような感じ.

  設定値	動作周波数
  0x68	4MHz
  0x70	8MHz
  0x78	16MHz
  0xf0	32MHz

  なお, この辺はフューズ設定との兼ね合いとかあるので必ずこれで動くとは 限らない.
• シリアル通信設定
  以下のようにすると RB1 を RX, RB2 を TX に設定できる (TRISB は xxxxx01x としておく必要あり).

  movlb 2 clrw movwf APFCON0 movwf APFCON1 movlb 3 movlw 0x08 movwf BAUDCON clrw movwf SPBRGH movlw 0xXX movwf SPBRGL movlw 0x24 movwf TXSTA movlw 0x90 movwf RCSTA

  ここで黄色の SPBRGL への設定は通信速度指定で 以前に比べて 4 倍の精度が出せるようになった. 式にして 動作周波数/4/([SPBRGL で指定した値] + 1) といった感じ (本当は SPBRGH も関係するけど略).
• AD
  新しい PIC は AD 変換で得た数値が電源電圧に関わらず電圧を示すことができる ようになりました. そのためには初期設定時に

  movlb 2 movlw 0x83 movwf FVRCON movlb 1 movlw 0xd3 movwf ADCON1

  とします. これで 0 ∼ 4.096V を 0 ∼ 3ff で表現されます (右詰, FOSC/16).
  
  変換方法は ANX を変換するのであれば (X << 2) + 1 を ADCON0 に書き込み (当然事前に ANSELA/B を使って AD 入力するポートを指定する必要あり), 少々待った後 (20us 程), ADCON0.1 をセットしてクリアされるまで待ちます. ADRESH, ADRESL に結果が入っているはずです.

• 拡張命令
  16F1xxxx になって次のような命令が追加された. 便利と活用するか下位互換性のため活用しないかは微妙な所.

  movlb	バンク切り替え
  lsrf	7bit目には0が入る右シフト
  lslf	0bit目には0が入る左シフト
  asrf	7bit目は変化しない右シフト
  addwfc	(W)+(f)+(C)→dest
  subwfb	(f)-(W)-( B )→dest
  reset	ハードウェアリセットと同等
  bra	定数による相対ジャンプ (-256 前 ∼ 255 先)
  brw	W による相対ジャンプ ((1 ∼ 256 先)
  callw	下位1byte が W のアドレスへコール 上位は現状維持
  moviw	INDFn → W, FSR 変化 (書き方いろいろ)
  movwi	W → INDFn, FSR 変化 (書き方いろいろ)
  addfsr	FSR(n) += k
  movlp	ページ切り替え
  tris	(W)→ TRISX (f=5 なら A, 6 ならB)