電子点鐘器

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前置き

私は目が悪く, 裸眼だと文字が判別できる距離が 20cm くらいです. まぁ普通に生活している分には眼鏡があるのでいいのですが, 夜中に ふと目がさめ, 時間が知りたい時大変です. 枕元に時計を置いていても, それを顔の直前まで持ってこないと時間が 読めないもんですから...

そこで, 夜中に時間を知る機械を作ってみたくなり, 次のような案を考えてみました.

しかし, 一畳のデジタル時計は言うに及ばず, LED を並べる方法も瞬時に 10 個も 11 個も数えたり 10 進数に変換することを考えると実用性に乏しい気がします.

そこで, 海洋小説などで出てくる点鐘(てんしょう)という概念を採用してみること にしました. 点鐘を広辞苑(第3版)で引いてみますと, 「船内で当直者に時刻を知らせる為に鳴らす鐘. 0 時 30 分の一点鐘から 30 分 ごとに 1 つずつ数を増やして四時の八点鐘に至り, これを四時間ごとにくり返して いく」と書いています.

点鐘の鳴らし方は, パナマの死闘という本(セシル・スコット・フォレスター著, 高橋泰邦訳, ハヤカワ文庫)の中で, 「....当直員たちはどやどやと各自の元の部署 にもどった. カンカン−カンカン−カンカン−カンと, 時鐘が鳴った. 朝の当直の七点鐘だ. 」 と書いてあるので, 二点鐘を 1 セットとして, 点鐘が奇数の場合最後に一回鳴らす ようです.

という訳で, 二点鐘のセットを緑 LED に, 奇数の場合の最後の一回を赤の LED を 点けるようにすれば, 緑の数がそのまま今の時間の単位を表し, 赤が点いていたら プラス 30 分だということが分かります.


点鐘器概要図( 5 点鐘)

回路図

この案を元に, 次のように PIC16F84 を使って簡単な回路を作ってみました.


回路図

「停電になってもしばらくもつように...」っと遊び半分でスーパーキャパシタを 入れ, LED 駆動にトランジスタアレイを使ってみました. が電気消費量とか全然 計算せず, 「こんなもんだろ」っと入れてしまったもんで, 3 分も持ちません. PIC は直接 LED を駆動することが出来るので, はっきり言ってこの部分は不要で す(その場合 2 色 LED を K コモンを使うか, プログラム自身を書き換える必要 があります ). ちなみに 10MHz の水晶を使った理由は, 「家にあったから」です.

プログラム

こちらが PIC のプログラムです. そんなにテストしてないので, 時刻調整とか怪しい動きをするかもしれません. また, プログラムが悪いのか回路が悪いのか分かりませんが時計の進みが速い ようです. その時はプログラムの秒や10ミリ秒のカウンティング部分(tint 部分) をいじくって微調節して下さい.

写真


駆動回路


表示部